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産地を追って no.17 のり産業の育成を考える

1 後継者育成をどうするか

しかしながら、のり生産地にとって今後の大きな課題は、後継者の育成です。のりの需要が減少を始め、低質低価格商品の販売が増えると、産地価格はさらに低下して行きます。生産漁家の収入も減少して行くことにもなりますから、後を継ぐ若者も少なくなっています。

特に産地の漁家の高齢化は急速に進んでいます。毎年、100名以上の漁家がのり養殖を止めています。表1のように昭和54年から平成26年の36年間に26,942人の漁家が減っています。のり養殖技術や生産機械の進化で生産枚数は大きく落ちてはいませんが、早急に後継者の育成を図らなければ、生産枚数は急速に減少して行くでしょう。それを食い止めるためには、上質のりの本来の栄養価値を多くの消費者に再認識して戴きながら需要促進を図らなければなりません。

表1の26年度共販実績と平均単価を見ますと、共販実績枚数が増えて、平均単価も増えているように見えますが、平均単価が上昇したのは、表2に見るように海苔商社の在庫数量が少なかったことから3~5円台の入札価格帯が通常より少なく、5~20円台の入札価格帯が全体の97.5%を占めたためです。平成24年の3~15円の価格帯は全体の96.7%を占めていますが、26年度はそれをやや上回っているため、平均単価を押し上げているに過ぎません。

3~5円台の色落ちした下物原料の価格帯が少なく、20円以上の価格帯が全体の10%以上に達することが出来れば、おいしいのりを多くの消費者に届けることが出来ることになるのです。

表2.過去5年間の共販価格帯推移

今日、産地では午前3時や夜明け前の極寒の漁場でのり摘みを行い、1日中のり製造機を回して生産に励んでいますが、この作業の中心にいる漁家の平均年齢は50歳代になります。家族総出の作業で、40~50歳代の家族の中心世帯が漁船に乗り沖合いの極寒の暗闇ののり漁場でのり摘み作業を行い、陸上ののり製造工場に運び、待ち受けた60~70代の両親にのり製造機械の管理と抄きあがったのりの整理をお願いするのが通常の日々です。

もちろん後継者が少ない漁家や後継者数人で資金を出し合い共同作業場を作り生産コストを下げる「協業体」も増えています。しかし、永年共同作業を行なっていると、難しい人間関係の問題も生じてうまく進まないことも出てきます。

夜間ののり摘み作業
のり製造作業
写真左 夜間ののり摘み作業
写真右 のり製造作業

そうした中ですが、全国の後継者たちが手をつなぎあって、今後ののり養殖漁業の発展に努力していこうという動きも見えてきました。

その目標としては、「食材としての“のり”と我々“生産者”は、現在の日本において様々な視点からどう見られているのか、また、どういった役割があるのか、何ができるのかを知る事で、現状把握と新しい価値観の発見につなげ、個人だけでなく各産地の課題点や問題点を明確にして活性化につなげる」ということが根底にあるようです。

2 若者たちに学んで欲しいこと

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