日本産アマノリ属藻類紹介

海苔の豆図鑑

オニアマノリの写真

no.3

和名

オニアマノリ

学名

Neoporphyra dentata
〔ネオポルフィラ デンタータ〕

所属

紅藻 ウシケノリ科 オニアマノリ属

特徴

葉状体は赤褐色で細長く(線状披針形~長卵形)、ふつう長さ10‐15 cm、幅2‐4 cmであるが、長さ40 cm、幅10 cmくらいに達することもある。葉状体の縁辺はやや波打ち、顕微鏡的な鋸歯がある。しばしば多数の裂片を生じる。葉状体は1層の細胞からなり、厚さ30‐58 µmである。雌雄異株で、ときに雌雄が上下に分かれて形成される雌雄同株の個体がある。スサビノリやアサクサノリと同じように肉眼で見ることのできる葉状体と顕微鏡的な糸状体(コンコセリス)の世代が交代する生活環をもつが、単胞子(原胞子)による無性生殖はない。

分布

北海道南部沿岸、本州太平洋沿岸、本州日本海沿岸西部、九州沿岸; 朝鮮半島沿岸に分布する。葉状体は外海に面した岩礁の潮間帯上部に11月から翌年4月頃まで出現する。


解説執筆

有賀 祐勝(あるが・ゆうしょう)

一般財団法人海苔増殖振興会副会長、浅海増殖研究中央協議会会長、公益財団法人自然保護助成基金理事長、東京水産大学名誉教授、理学博士

おしば標本の写真提供

菊地 則雄(きくち・のりお)

千葉県立中央博物館分館海の博物館主任上席研究員、理学博士

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