カイガラアマノリ < 海苔の豆図鑑海苔増殖振興会ホーム

日本産アマノリ属藻類紹介

海苔の豆図鑑

カイガラアマノリの写真

no.6

和名

カイガラアマノリ

学名

Neopyropia tenuipedalis
〔ネオピロピア テヌイペダーリス〕

所属

紅藻 ウシケノリ科 アマノリ属

特徴

葉状体は長円形~披針形で鮮やかな紅色または橙色がかった紅色をしており、基部は楔形で、細い柄状部がある。ふつう長さ8‐30 cm、幅2‐9 cmであるが、長さ60 cm、幅10 cmくらいにまでなるものがある。葉状体の縁辺は全縁(顕微鏡的な鋸歯がない)で、波打っている。葉状体は1層の細胞からなり、厚さ14‐42 µmで、1細胞に1個の葉緑体を持つ。雌雄同株で、雌雄の生殖細胞は葉状体の縁辺部に混在し、小さな斑点状の群をなしている。肉眼で見ることのできる葉状体と顕微鏡的な糸状体(コンコセリス)の世代が交代する生活環をもつが、葉状体は糸状体の枝端から直接生じる。単胞子(原胞子)による無性生殖は無い。
環境省は絶滅危惧Ⅰ類に、水産庁は絶滅危惧種に指定している。
山口県ではノリ網を使った養殖が試みられている。

分布

東京湾、伊勢湾、大阪湾、瀬戸内海に分布し、内湾の漸深帯にある死んだ二枚貝の殻の上に生育する(貝殻内で育った糸状体から直接葉状体が生じる)。


解説執筆

有賀 祐勝(あるが・ゆうしょう)

一般財団法人海苔増殖振興会副会長、浅海増殖研究中央協議会会長、公益財団法人自然保護助成基金理事長、東京水産大学名誉教授、理学博士

おしば標本の写真提供

菊地 則雄(きくち・のりお)

千葉県立中央博物館分館海の博物館主任上席研究員、理学博士

「カイガラアマノリ | 海苔の豆図鑑」ページのトップに戻る