和名
フイリタサ
学名
Wildemania variegata
〔ウィルデマニア ヴァリエガータ〕
所属
紅藻 ウシケノリ科 ベニタサ属
特徴
葉状体は赤みのやや強い紫褐色の長卵形ないし広披針形で、成熟して精子の放出が進むと勾玉(まがたま)形になる。縁辺はやや波打ち、顕微鏡的な鋸歯はない。基部は円形ないし心臓形で、大きいものは長さ36 cm、幅18 cmくらいにまでなる。2層の細胞からなり、厚さは80‐185 ㎛である。各細胞は1個の色素体をもつ。葉状体は雌雄同株で雌雄の生殖細胞群(生殖班)は左右に分れて形成される。葉状体期と糸状体期とが交代する生活環をもち、単胞子(原胞子)による無性生殖はない。
分布
北海道、千島列島、ベーリング海、アリューシャン列島、アメリカ西岸などに分布する。葉状体は潮間帯最下部付近に生育する海藻や海草に着生する。
解説執筆
有賀 祐勝(あるが・ゆうしょう)
一般財団法人海苔増殖振興会副会長、浅海増殖研究中央協議会会長、公益財団法人自然保護助成基金理事長、東京水産大学名誉教授、理学博士
おしば標本の写真提供
菊地 則雄(きくち・のりお)
千葉県立中央博物館分館海の博物館主任上席研究員、理学博士