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産地を追って no.3 新のり生産始まる

2 のり入札会に出品するまでの動き

摘み取ったのりは漁船(写真1とは別の漁場まで往復する本船)の船底に作られた水槽に入れて港に持ち帰り、タンクを装備したトラックで自宅に隣接するのり製造工場(のり抄きの作業場)に運びます。のり抄きの作業場には、大きな海苔製造機械が設置されています。運んできたのりは製造工場内の水槽に移送され、海水を入れて攪拌しながらのり原藻を洗い海上に漂っていたゴミ等を除去し、さらに真水(水道水)で洗い、その後のり原藻を細かく刻んでパイプを通して少しずつのり抄き機械に送り込みます。

昭和50年頃から海苔製造機械の開発が盛んになり、近年ではのりの原藻を機械に送り込むとこれを抄いて(19×21cmの四角い状態にすること)機械の中を回転しながら乾燥させ、一定時間経つと乾のりが出来上がって出て来るようになりました。これらの工程が電子的なコントロールで自動的に行われるため「全自動乾海苔製造機」といわれます。最近では乾燥機の横幅が一度にのり10枚分(または上下2段にして20枚)を処理出来る大型機械まで登場しています。

こうして出来上がった乾のりはベルトコンベアーにのって全自動乾海苔製造機から出てくると、次に異物検出器をくぐり、問題のないのりと、抄き方の不備で穴が開いたり、破れたりしたのりに自動的に選別され、最後に10枚ずつ重ね合わせてさらに二つ折りにし、この束(1帖)を10束(100枚分)合わせて、産地名、生産日、生産者名(または生産者番号)を記入した帯紙(おびし)で束ねます。

のり養殖業ではこのように「いつどこで誰が製造したのりであるか」を判別できるトレーサビリティー(生産情報の追跡システム)を昔から取り入れており、安全安心に細心の注意を払ったのり作りが行なわれています。

写真3 最新設備を備えたのり製造工場(佐賀県の事例)
写真3.最新設備を備えたのり製造工場(佐賀県の事例)。大型の設備を導入しており、5軒ののり漁家が共同で作業を行うための設備です(こうした設備を協業施設といいます)。

この工場で製造されたのりは、箱詰めにされ、所属する漁業協同組合に出荷されます。漁業協同組合は集荷した乾海苔全量について品質検査員(乾海苔検査員と呼ばれています)による格付と分別(等級検査又は等級付けと呼ばれ特等から6等ぐらいまでの等級に分かけられます)を行い、入札会の開催主体である各県の漁業協同組合連合会に搬送します。

写真4 乾のり検査員による、漁協に出荷されたたのりの等級検査
写真5 検査され等級区分されたのり
写真4.漁協に出荷されたのりは乾のり検査員により等級検査が行なわれます(福岡県の事例)。
写真5.検査され等級区分されたのりは、等級毎に箱詰され入札会場に搬送されます。一箱には3600枚(1束100枚×36)ののりが入っています(福岡県の事例)。
3 頑張る宮城、新のり入札トップの座守る

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