今回は写真ではなく、表で季節の話題をお届けします。
令和7年度(2025年度)の乾のり共販は11月27日の宮城共販から始まり、12月末現在で共販枚数8億3,252万9千枚、共販金額269億8,984万4千円となりました。共販漁連別実績及び前年度の令和6年度(2024年度)の最終実績は表1の通りです。
ノリの漁期は歴年では2年にわたるため、12月までの生産を年内生産、1月以降の生産を年明け生産と区分しています。まだ水温が高い時期に行われる年内生産は不安定な要素が多く年度による差が大きいので、今漁期の成果は海況が安定する年明け生産の結果を待たなければなりません。
なお、表1は全国漁連のり事業推進協議会(事務局:全国漁業協同組合連合会販売事業部)が作成した資料で、同協議会の許諾を得て本会ホームページに掲載するものです(ただし備考と注は海苔増殖振興会が追記しました)。ついては本表を引用される場合は全国漁連のり事業推進協議会資料と記載戴くようお願い致します。
また、同協議会では年度を西暦で表記しているため、説明は元号表記、表は西暦表記となっていますが、ご了解を賜りたいと思います(表1の注1と注2をご参照下さい)。
表1.2025年度12月末乾のり共販漁連別実績(付.2024年度最終実績)
全国漁連のり事業推進協議会資料
(備考と注は海苔増殖振興会追記)
| 共販漁連 | 2025年度12月末実績 | 2024年度最終実績 | 備考 | ||
|---|---|---|---|---|---|
| 枚数 (千枚) |
金額 (千円) |
枚数 (千枚) |
金額 (千円) |
生産海域 | |
| 宮 城 | 65,205 | 1,796,645 | 343,227 | 8,478,017 | 松島湾・仙台湾 |
| 千 葉 | 14,838 | 478,913 | 84,979 | 2,186,481 | 東京湾 |
| 神奈川大森 | 484 | 12,539 | 5,117 | 118,827 | 〃 |
| 愛 知 | 40,901 | 1,276,483 | 220,058 | 5,492,485 | 三河湾・伊勢湾 |
| 三 重 | 6,313 | 156,156 | 148,740 | 3,686,043 | 伊勢湾 |
| 東日本計 | 127,740 | 3,720,736 | 802,121 | 19,961,852 | |
| 兵 庫 | 54,352 | 1,299,355 | 1,897,720 | 43,355,441 | 瀬戸内海 |
| 岡 山 | 10,617 | 270,790 | 189,004 | 4,236,661 | 〃 |
| 広 島 | - | - | 58,285 | 1,208,624 | 〃 |
| 徳 島 | - | - | 26,434 | 491,634 | 〃 |
| 香 川 | 6,913 | 164,072 | 306,595 | 7,135,652 | 〃 |
| 愛 媛 | - | - | 60,360 | 1,325,347 | 〃 |
| 瀬戸内計 | 71,882 | 1,734,217 | 2,538,397 | 57,753,359 | |
| 福 岡 | - | - | 3,651 | 81,961 | 玄海・豊前海 |
| 福岡有明 | 176,405 | 5,074,244 | 772,271 | 19,114,539 | 有明海 |
| 山 口 | - | - | 2,438 | 58,659 | 瀬戸内海 |
| 佐賀有明 | 305,417 | 11,798,253 | 964,358 | 23,293,648 | 有明海 |
| 長 崎 | - | - | 1,378 | 32,972 | 〃 |
| 熊 本 | 151,086 | 4,662,394 | 766,048 | 20,851,611 | 有明海・八代海 |
| 大 分 | - | - | 1,442 | 28,020 | 豊前海 |
| 鹿児島 | - | - | 3,351 | 97,314 | 八代海 |
| 九州計 | 632,908 | 21,543,891 | 2,514,937 | 63,558,723 | |
| 合 計 | 832,529 | 26,989,844 | 5,855,455 | 141,273,935 | |
注1.海苔の生産時期は11月から翌年4月まで。2025年度漁期は2025年11月から2026年4月まで。
注2.共販開催は11月後半から翌年5月上旬まで。2025年度共販開催は2025年11月後半から2026年5月前半まで。
注3.共販枚数≒生産枚数。通常共販枚数をもって生産枚数または生産量という。
注4.共販に出荷(上場)される乾海苔は標準で1枚19×21センチ、約3グラム。
【令和7(2026)年1月15日掲載】
12月中旬、福岡県有明海は秋芽網生産の盛期を迎え、3回目の摘採が行われています。
本年の福岡県有明海は高水温の影響で採苗と育苗に苦労しましたが、11月19日(採苗後32日目)から1回目の摘採が始まり、11月29日(42日目)には早くも2回目の摘採に入り、12月13日(56日目)からは3回目の摘採が行われています。
写真は11月20日(33日目)の漁場の様子で、本会評議員の半田亮司さん(福岡県連合海区漁業調整委員会会長)を通じて福岡県水産海洋技術センター有明海研究所の藤井直幹のり養殖課長にお願いして撮影して戴いたものです。
漁場全景1
採苗時と同じく福岡県が沖合に設置した観測塔からの風景 葉体が成長し網が黒く見える
ただし本年は採苗期間が1週間から10日と長期化したのでこの網はまだ摘採サイズ前で隙間が見える
海苔船と作業船はノリ網の管理作業のためのもの 福岡県有明海の摘採は夜間に行われる
漁場全景2
こちらの網は間もなく摘採サイズ 手前は海苔船が搭載してきた作業船 この小さな船で
昼間の網の管理と夜間の摘採を行う 海苔船や作業船の操船は熟達の域にあり見ていて惚れ惚れする
灰色を帯びた緑色の海はノリ養殖に必須の栄養塩類を豊富に含んでいる 関係者は「宝の海」と呼ぶ
11月中旬から12月初めにかけて全国各地でもノリの生産が始まりますが、それを追いかけるように各県の漁業協同組合連合会が開催する入札会(共販)が始まります。
本年度は11月26日の宮城に始まり、28日佐賀有明、29日福岡有明(6,515万枚)、12月に入って6日宮城第2回、9日愛知、10日熊本、12日佐賀有明第2回、13日福岡有明第2回(1億1,185万枚)、14日千葉と12月15日までに9回の共販が開催されました。
共販結果はノリ生産県の漁業協同組合連合会で組織する全国漁連のり事業推進協議会(事務局:全国漁業協同組合連合会販売事業部のり推進室)がとりまとめを行っていますが、11月26日から12月15日までの累計共販数量は5億294万枚、1枚当たりの平均単価は31円70銭と発表されています。
今後は年末に向かいノリ生産により一層の拍車がかかり、ノリ生産者は正月返上で生産に取り組むことになります。
撮 影:
令和6(2024)年11月20日に福岡県水産海洋技術センター有明海研究所の藤井直幹のり養殖課長が撮影
共販結果:
全国漁連のり事業推進協議会(事務局:全国漁業協同組合連合会売事業部のり推進室)発表
本稿作成:
令和6(2024)年12月20日
【令和6(2024)年12月24日掲載】
10月24日(木)に本会評議員の半田亮司さん(福岡県連合海区漁業調整委員会会長)の案内で、野外採苗が行われている福岡県有明海のノリ漁場を見学しました。九州地区は野外採苗が主体ですが、福岡県有明海は100%野外採苗で、かつ県下一斉に採苗が行われます。
今漁期の野外採苗は10月18日に開始され通常であれば3日程度で終わるのですが、本年は高水温で難航、1週間をかけて概ね終了に向かっているとの説明を受けました(後日無事終了の連絡を戴きました)。
野外採苗はノリ網を24枚重ね支柱に張り込んで行います。このノリ網にはカキ殻糸状体が装着されていて、ノリ芽の着生を確認後、カキ殻糸状体を外します。近年は18枚重ねもあるとのことです。
以降は育苗(いくびょう)、冷凍入庫、秋芽(あきめ)網生産の行程に入りますが、概略を述べるとノリ芽の成長に合わせてノリ網を周囲の空いている支柱に展開して3枚重ねにし、さらにノリ芽が5cm程度に成長すると秋芽網生産用に1枚とし、残りを冷凍網生産用にマイナス20℃の冷凍庫で保管します。この間諸般の作業がありますが、採苗から冷凍入庫までが約25日、採苗から秋芽網生産の摘採(てきさい)開始までが約30日と言われています。
写真1から4は、福岡県水産海洋技術センター有明海研究所(尾田成幸所長)の許可を戴いて沖合に福岡県が設置した観測塔(漁場環境データを自動的に測定し発信するための施設)から撮影した写真です。10月24日(木)は採苗中のため、写真2と3の中央部に小さく採苗中のノリ網が見えますが、周囲の支柱は空であり、ノリ生産期の風景とは異なっています。
また、見学途中の漁場でノリ生産者の古賀祐哲さん(福岡県両開漁業協同組合理事)にお会いし、許可を戴いて採苗中のノリ網の近景を撮影させて戴きました。写真5と6がそれです。まだノリ芽はごくごく小さくノリ網しか見えませんが、30日後には葉長30センチの立派なノリに成長し、今漁期のノリ生産が始まります。
(写真をクリックすると拡大します。)
撮影:
写真1から4
2024(令和6)年10月24日午後 福岡県水産海洋技術センター有明海研究所(尾田成幸所長)の許可を得て沖合に福岡県が設置した観測塔から一般財団法人海苔増殖振興会が撮影
写真5と6
2024(令和6)年10月24日午後 古賀祐哲氏(福岡県両開漁業協同組合理事)の許可を得て一般財団法人海苔増殖振興会が撮影
【令和6(2024)年11月15日掲載】
10月5日(土)に千葉県新富津漁業協同組合の陸上採苗が行われました。採苗(さいびょう)は「種付け」とも呼ばれ、来年3月(地域によっては4月)まで続く令和6年度ノリ漁期のスタートを告げる作業です。
種付けされたノリ網は冷凍庫で一時保管され、その後漁場に張り込まれます。組合によれば、採苗開始は例年9月20日頃ですが、本年は水温の低下が遅く10月に入ってからの開始となったとのことでした。
採苗には陸上採苗と野外(海上)採苗の二つの方式があり、東日本地区と瀬戸内地区では陸上採苗が、九州地区では野外採苗が主力となっています。例年9月中旬から陸上採苗が始まり、10月中下旬に行われる野外採苗で全国の足並みが揃い、作業は育苗(いくびょう)、そして摘採(てきさい)へと移っていきます。
(写真をクリックすると拡大します。)
撮影:令和6(2024)年10月5日午前 新富津漁業協同組合の許可を得て一般財団法人海苔増殖振興会が撮影
【令和6(2024)年11月5日掲載】

福岡県有明海・漁場全景

福岡県有明海・網洗作業

福岡県有明海・採苗風景

兵庫県神戸市沖漁場・沖出作業
最後の仕上げに入った今漁期用のカキ殻糸状体 平成23年9月14日
佐賀県有明海漁業協同組合(県漁協)七浦培養事業所にて海苔増殖振興会撮影

瀬戸内地区の陸上採苗風景 平成23年10月8日
兵庫県神戸市漁業協同組合にて 三浦保昌参事撮影

雨の中14日採苗網の網洗作業に励む海苔生産者 平成23年10月21日福岡県有明海にて
撮影:財団法人海苔増殖振興会 協力:福岡県水産海洋技術センター有明海研究所

瀬戸内海浮流し漁場における陸上採苗網の育苗風景(干出中、遠景は明石海峡大橋) 平成23年10月31日
兵庫県東播(とうばん)漁場にて 兵庫県立農林水産技術総合センター水産技術センター二羽恭介主任研究員撮影

全国のトップを切って開催された宮城県漁協の初入札の様子 (入札風景・平成23年11月21日)
海苔産業情報センター佐藤尚司記者撮影・同センター提供

千葉県漁連の初入札の様子 (見付風景・平成23年11月22日)
海苔産業情報センター佐藤尚司記者撮影・同センター提供

福岡県有明海海苔共販漁連の初入札の様子 (見付風景・平成23年11月23日)
海苔産業情報センター佐藤尚司記者撮影・同センター提供

佐賀県有明海漁協の初入札の様子 (見付風景・平成23年11月24日)
海苔産業情報センター佐藤尚司記者撮影・同センター提供



