和名
カヤベノリ
学名
Neopyropia moriensis
〔ネオピロピア モリエンシス〕
所属
紅藻 ウシケノリ科 アマノリ属
特徴
葉状体は赤みの強い紅色を帯び、卵形ないし楕円形で、基部は心臓形をしており、ふつう長さ25-40 cm、幅5-20 cmに達する。1層の細胞からなり、厚さは35-45 µmである。葉状体の縁辺はやや波打ち、顕微鏡的な鋸歯はない。雌雄同株で、雌雄の生殖細胞は混在し、生殖斑は縞状に形成される。スサビノリやアサクサノリと同じように肉眼で見ることのできる葉状体の世代と顕微鏡的な糸状体(コンコセリス)の世代が交代する生活環をもつが、単胞子(原胞子)による無性生殖はない。
分布
北海道南部沿岸に分布する。葉状体は冬季に出現し、漸深帯に生育するツルモ(褐藻)の体に着生する。
解説執筆
有賀 祐勝(あるが・ゆうしょう)
一般財団法人海苔増殖振興会副会長、浅海増殖研究中央協議会会長、公益財団法人自然保護助成基金理事長、東京水産大学名誉教授、理学博士
おしば標本の写真提供
菊地 則雄(きくち・のりお)
千葉県立中央博物館分館海の博物館主任上席研究員、理学博士