和名
マルバアマノリ
学名
Phycocalidia suborbiculata
〔フィコカリディア サボービキュラータ〕
所属
紅藻 ウシケノリ科 ミナミアマノリ属
特徴
葉状体は円形ないし腎臓形で、赤褐色をしており、長さ幅とも普通10 cmくらいにまでなり、基部は心臓形ないしロート状で、縁辺には顕微鏡的な鋸歯が多数あるが襞(ひだ)は少ない。1層細胞からなり、厚さ30‐48㎛で、1細胞に1個の色素体をもつ。雌雄同株で、雌雄の生殖細胞は混在している。葉状体期と糸状体期が交代する生活環を持ち、葉状体期には単胞子(原胞子)による無性生殖を行なう。
分布
太平洋、大西洋、インド洋の沿岸に広く分布する。日本では北海道南部から南西諸島まで広く見られる。朝鮮半島にも分布する。外海に面した海岸から内湾の河口域まで広く生育し、岩、人工海岸、海藻などに着生する。
解説執筆
有賀 祐勝(あるが・ゆうしょう)
一般財団法人海苔増殖振興会副会長、浅海増殖研究中央協議会会長、公益財団法人自然保護助成基金理事長、東京水産大学名誉教授、理学博士
おしば標本の写真提供
菊地 則雄(きくち・のりお)
千葉県立中央博物館分館海の博物館主任上席研究員、理学博士