和名
アカネグモノリ
学名
Neomiuraea migitae
〔ネオミウラエア ミギタエ〕
(アカネグモノリは2010年にPorphyra migitaeとして記載され、2011年にアカネグモノリ属Miuraeaの新設に伴ってMiuraea migitaeとされたが、その後に属名Miuraeaは菌類ですでに1948年に使われていることが判明したため、2018年にアカネグモノリの属名はNeomiuraeaとすることになった。)
所属
紅藻 ウシケノリ科 アカネグモノリ属
特徴
葉状体は赤橙色ないし深紅色の楕円形、長楕円形、倒卵形、円形で、時に裂葉を生じることがある。長さ25 cm、幅13 cmくらいにまでなる。1層の細胞からなり、栄養細胞部分の厚さは24‐47 ㎛である。各細胞は1個の星形色素体をもつ。葉状体は雌雄同株で、雌雄の生殖細胞群(生殖班)は混在し、精子の放出に伴い葉状体に多数の穴ができる。縁辺は全縁で顕微鏡的な鋸歯はない。葉状体期と糸状体期とが交代する生活環をもち、単胞子(原胞子)と中性胞子による無性生殖を行う。
分布
大阪湾湾口近く、長崎県野母漁港内、静岡県内浦湾、韓国済州島などで採集されている。葉状体は漸深帯に生育する。
解説執筆
有賀 祐勝(あるが・ゆうしょう)
一般財団法人海苔増殖振興会副会長、浅海増殖研究中央協議会会長、公益財団法人自然保護助成基金理事長、東京水産大学名誉教授、理学博士
おしば標本の写真提供
菊地 則雄(きくち・のりお)
千葉県立中央博物館分館海の博物館主任上席研究員、理学博士