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日本産アマノリ属藻類紹介

海苔の豆図鑑

ハイタンアマノリの写真

no.26

和名

ハイタンアマノリ

(中国名 坛紫菜(壇紫菜)、
  タンツィーツァイ; 英名 Tan-zicai)

学名

Neoporphyra haitanensis
〔ネオポルフィラ ハイタネンシス〕

所属

紅藻 ウシケノリ科 オニアマノリ属

特徴

葉状体は長披針形~披針形あるいは長円形で、ふつう長さ12‐18 cm、幅3‐5 cmであるが、大きなものは長さ28 cm、幅8 cmを達することもあり、暗緑紫色で褐色を帯びることがある。養殖施設では更に長大(長さ444 cm、幅8 cm)になるものがある。葉状体の縁辺部はわずかに波うち、鋸歯状を呈し、基部は心臓形、まれに円形または楔形である。顕微鏡的な鋸歯をもつが、成熟するにつれて上部の鋸歯はなくなり基部だけに見られる傾向がある。栄養細胞部分は通常1層であるが部分的に2層になることがある。細胞断面は高さ35‐50 、径15‐22 ㎛、1細胞に普通1個まれに2個の星形の色素体を持つ。「大部分は雌雄異株であるが、時に雌雄同株の個体もみられる」と言われてきたが、近年の培養実験の結果から、十分に成熟すれば雌雄同株になると考えられている。葉状体期と糸状体期が交代する生活環を持つ。単胞子(原胞子)による無性生殖は知られていない。

中国固有種であるとされていたが2021年に伊豆諸島の式根島と八丈島に自生していることが報告された。中国では福建省、浙江省および広東省沿岸における主要養殖種である。福建省の海壇島(ハイタンタオ; 現在は平潭島ピンタンタオと呼ばれる)が代表的な生育地であるのでhaitanensisの名がつけられた。日本では「ハイタネンシス」「タンシサイ」「タンシンノリ」などと呼ばれてきたが、標準和名として「ハイタンアマノリ」を提案したい。葉状体は比較的高温に強いので日本に持ち込まれて養殖が試みられたが、葉状体は乾燥後には赤紫みが強く表れるので広がらなかった。

分布

中国の福建省、浙江省および広東省沿岸。伊豆諸島の式根島と八丈島の沿岸。葉状体は潮間帯または潮間帯上部の岩上で特に波当たりの強いところに繁茂する。


解説執筆

有賀 祐勝(あるが・ゆうしょう)

一般財団法人海苔増殖振興会副会長、浅海増殖研究中央協議会会長、公益財団法人自然保護助成基金理事長、東京水産大学名誉教授、理学博士

おしば標本の写真提供

この標本写真は上海海洋大学教授厳興洪博士のご厚意による。

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