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リレーエッセイ 2026・夏
海藻の生長調節物質  1/2
はじめに

2025年の夏から冬にかけて筆者の住む東海地方の天候は、例年とはかなり異なったものでした。暑い夏が続き、秋も冬も雨が少なく台風も来ませんでした。そのために、愛知県東部の豊川用水の宇連ダム貯水率は2026年3月17日に0%となり、徹底的な節水が呼びかけられました。田植え時期の延期要請もされました。一方、愛知県西部の自宅では上水道の水圧に変化はなく、節水要請もありませんでした。県内でも地域によってかなり異なっていました。3月末になると雨も時々降るようになり、ベランダの草木にも新芽が出て一安心しました。今後、ベランダのブドウ(巨峰)が例年のように開花し実を結ぶのが楽しみです。

植物生長調節物質の働き

植物は動物と異なり内分泌腺がありません。開花や果実ができるためには、微量で生理過程を調節する植物生長調節物質の働きが重要となります。陸上植物における生長調節物質の主な働きを表1に示しました。これらの生長調節物質は、農業分野、園芸分野、林業分野など様々な分野で数多く研究され、既に実用化されています。1988年から89年に文部省(現在の文部科学省)の長期在外研究員として、米国カリフォルニア大学サンタバーバラ校生物学科で、客員教授として海藻の組織培養を研究しました。現地の褐藻ホンダワラ属2種類と紅藻てんぐさ類5種類の組織片を試料とし、生長のよい液体培地や寒天培地を探しましたが、帰国までには十分な成果は得られませんでした。

表1. 陸上植物における数種生長調節物質の主な作用
生長調節物質 作用
オーキシン 組織片の伸長生長、頂芽優先、発根、カルス分化
サイトカイニン カルスの細胞分裂、腋芽の生長、気孔を開く、
クロロフィルの増加
ジベレリン 抽苔、休眠打破、単為結果
アブシジン酸 離層形成、芽の休眠誘導、気孔開閉
エチレン 生長抑制、成熟および老化促進


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