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産地を追って no.7 全国で新のり養殖始まる「健康に育て!」祈るのり漁家

1 11月上旬には東北、東京湾から新のりの姿が

有明海に張込まれた採苗網は、1週間から10日程度で30枚重ねが5枚重ねになり(その分網を張った漁場の面積が増えます。網を展開するといいます。)、3枚重ねになってさらに1枚張り(単張りともいいます)になります。この間にのり芽も大きく伸びて、採苗網を張込んで30日を過ぎると新のりの摘み採りが始まります。摘み採りの風景が見え始めるのは11月中旬過ぎです。

すでに、のりの育苗が始まっている宮城県や千葉県では、漁場に浮かんでいるのり網(九州有明海とは異なる浮流(うきなが)し式養殖法)にのり芽が生長して黒い姿が見えるようになっています。生長が早い漁場では、11月5日頃からのり摘みを始める漁家もいるようですが、10日頃には本格的なのり摘みが始まるようです。

愛知県や三重県などの伊勢湾地区では10月20日頃から本格的な育苗網の張込みが行われたようで、11月中旬頃からの摘み始めになりそうです。
また、瀬戸内海地区では、10月20日から25日頃までに育苗網の張込みが行われるため、11月中旬から下旬に掛けてのり摘みが始まりそうです。

九州地区では有明海地区が11月中旬過ぎから始まりそうで、全国で11月中旬に北から始まる新のり入札会の便りが順次南下することになるでしょう。
昨年は11月に入って暖かい日が続き、雨の多い日が断続的に関東以西を襲いましたので、新のりの出来が悪くなり、全国一の産地・有明海の生産枚数も大きく減少しました。

しかし、今年は11月中旬までの気象は昨年ほどのことはなさそうです。むしろ冷え込みが強くなりそうで、こちらの方に気を付けなければならないようです。

10月から育てたのりを「秋芽」と呼びますが、10月末から11月上旬にかけて、採苗の時に一緒に育てたのり網の一部を引き揚げて冷凍庫に保管して採苗からそのまま育てたのりが弱くなった時に冷凍庫から出して、それまで育ってくれたのり網と取り替えて、再び新芽ののりを育てる方法が行われています。これを「冷凍新のり」としていますが、いまは、秋芽網と冷凍網の新のりが当り前のようになっている産地が多くなっています。

11月上旬から1月下旬までの間に「新のり初摘み」が2回出来るということです。産地ではいつでもおいしいのり作りの研究に努めています。あとひと月余りで秋芽の新のりがお目見えすることでしょう。

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