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<開発目的>
「TGA」は、水産庁の「ノリ養殖業高度化促進事業のうち優良品種確保促進事業」(平成18年度~平成22年度)の一環として開発に取り組み、「高色調/高生長性」の特性を持つ海苔として、平成20年9月に農林水産省に品種登録申請を行い、平成23年7月11日に品種登録されました。(第20878号)
<優良品種確保促進事業の趣旨>
①今後の中国等からのノリ輸入をはじめとした国際的な動向の下において、国産品が外国産に対抗していくため、コストの削減や付加価値の向上等を通じて国際競争力を高めることが重要である。
②そのためには、諸外国に対する我が国の海苔養殖業の品質面、技術面での競争力を確固たるものとする必要があり、その基本となる優良な特性を有する株の選定と、更に進んで新品種の登録を推進する。
③また、優良な特性を有する株、開発された新品種の利用を促進し、地域ブランド化・地域振興につなげる必要がある。
<TGAとは>
☆名前の由来
TGAは「あさくさのり:オオバグリーン」と「すさびのり:暁光」の交雑品種であることから、2つ品種の特徴を示すそれぞれの頭文字から命名されました。
T:Porphyra tenera Kjellman(「あさくさのり」の学名)
G:green type(色彩が緑色型)
A:akatsuki(暁光:ぎょうこうの商標登録名)
☆何を目指したか
①開発目的
既存登録品種「暁光」の赤みが強く、穴があきやすい、という欠点を改良すべく開発した「あさぐも」は、「暁光」の欠点は克服できたが、色が浅い(黒味が足りない)品種となった。
この点について改良し、さらに甘味が強く味が良い「暁光」と交雑することで、製品としての価値を高める(黒味が強い)ことを目標としました。
②品種の特徴
○重要形質および特性
- 幼葉の葉形が細い
- 葉色が黒い
- 繁殖期が幼芽期、幼葉期に限られる
- 単胞子発芽体量がやや多数
○その他の追加情報
- あさぐもと比べて、葉状体の初期の生長性が良く、収量性が高い
- あさぐもと比べて、呈味成分である遊離グルタミン酸、遊離アスパラギン酸が多く含まれ、味が濃い
- 在来の品種と比べて、葉状体の光合成色素含有量が多く、製品の色が濃い
<TGAの品種開発の概要>
TGAの品種開発の概要を参照してください。
TGA野外栽培試験場所(平成20年度漁期)
兵庫県神戸市垂水区平磯3丁目1番10号 神戸市漁業協同組合 研究会
その他の新品種の開発の情報は、下記の項目をクリックして下さい。
- 「TGA」の品種登録について
- 「あさぐも」の品種登録について
- 新品種の開発と品種登録の手順