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産地を追って no.2 新のり養殖始まる

3 その時、のり産地でどのような事が起きていたのか!

その時、のり産地でどのような事が起きていたのか! その現状が下の写真(写真1)です。

写真1 平成23年4月28日宮戸地区で海苔ジャーナル佐藤記者撮影
写真1 平成23年4月28日宮戸地区で海苔ジャーナル佐藤記者撮影

およそ20トンもあるのり製造機械が潰され、鉄くずのようになっています。津波の力の恐ろしさにア然とするばかりです。3月11日午後2時過ぎと言えば、「これまで海水中ののりに必要な栄養である窒素などの不足で品質が今ひとつ良くなかったが、ようやく色がよくなり、品質の良いのりの生産状態が良くなってきたから、これから4月まで生産が進むぞ!」と気合が高まりのり製造に力が入っていた時期でもありました。

それを象徴する災害現場の様子が残っています(写真2)。のりを製造中の大型機械(のり製造機械)が、津波に押し流されて潰れ、その機械の中の製造中ののりが無残に放り出されています。

写真2 平成23年3月24日第一製網(株)濱田氏撮影・提供
写真2 平成23年3月24日第一製網(株)濱田氏撮影・提供

この日に製造されていたのりは、次の入札日3月18日に出品されるものだったのでしょう。800万円から1,000万円以上もするのり製造機械だけでなく、その機械の中で製造されていた1万5千枚相当ののりも失われてしまいました。その他に、のり摘み船、海上に張込んでいたのり網、のり製造に必要なのり原藻洗い機など付属機械類などを含むのり製造工場自体の流出など、1漁家あたり総額8,000万円から1億円以上の被害額になるようです。

今後これをどのようにして取り戻すことが出来るのか、考えただけで眠れなくなりそうです。被害を受けたあるのり漁家は「ここまで完璧にやられると、泣きたくなるのを通り越して、笑ってしまうより他にないべ・・・」と話してくれました。

4 のり産地としての地位奪還を目指す

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