産地情報 | 産地リポート
のり生産から販売への道のり
のり摘みが始まると、採れたのりは所属する漁業協同組合に集荷され、格付け等級検査が行われます。のりを抄き上げて乾燥した段階で、黒味が強く艶のあるものを「基本等級」といいますが、「格付け」というのはこの基本等級に入ったのりを更に上質なものから順に特等から6等ないし8等までに区分することをいいます。「等級」にはその他のりの表面に小さな穴が開いたのりについての「○等級」、表面がくすんだ色ののりについての「くもり等級」など産地によって異なりますが、数種類から十数種類あります。
いずれにしても、各漁業協同組合は乾燥されて出来上がったのりを見極めながら「格付け」と「等級」を付けてそれぞれを質に応じてまとめ、これを各漁協の上部組織である県漁業協同組合連合会(統合により県漁業協同組合となっている県もあります)が集荷して、漁協ごとにまとめた製品の見本を選び出して格付け、等級順に並べ、県漁連又は県漁協が行う入札会で入札指定商社が値づけをすることになります(こうした仕組みを漁協系統共販といいます)。
更に詳しく順を追って整理すると次のようになります。
①のり生産:摘み採った海苔を四角に抄き、海苔に異物が入っていないか検査する機械に通し、10枚重ねにして2つ折りにした束を作り、10束(100枚)にまとめて生産者の名前又は番号を印刷した帯紙でくくり、続いて製品の大まかな質を見極めて、それぞれを分けて箱詰め(1箱に3,600枚入れる)して漁業協同組合に持ち込みます。
②格付け等級検査:生産者が持ち込んだのりをすべて箱から取り出して、格付け等級検査を行い、10束でくくられた帯紙に格付け、等級印判を食用色素インクで押印し、等級毎に箱詰めして検査場の倉庫に等級毎に積み上げる)。
③共同販売:入札会を開く県漁業組合連合会又は県漁業協同組合が各漁協から格付け等級検査の済んだのりを集荷、入札指定権を持つ海苔商社(入札指定商)により漁協別に等級毎の入札が行われます。
入札指定商によって落札されたのりは、味付海苔加工業者、回転すしチェーン、量販店やコンビエンスストア指定の弁当製造業者などに送られて最終的に商品化されます。