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産地を追って no.1 のり産業界の現状

2 のり養殖の方法

のり種培養場の水槽で牡蠣ガラにもぐり込み生長したのり種
のり種培養場の水槽で牡蠣ガラにもぐり込み生長したのり種で、牡蠣ガラが黒くなるほど増えている(佐賀県有明海漁協のり培養場)

前置きが長くなりましたが、のり網に種付けをする作業には2通りの方法があります。

一つは、のりの種を牡蠣ガラに潜り込ませて繁殖させ、その牡蠣ガラを海水の入った水槽の中に並べて敷き、海苔の胞子(種子)が水中に放出された時、大きな回転式の鉄輪にのり網を50枚ぐらい重ねて巻きつけ、水槽の中を潜らせて、のりの胞子をのり網に附着させて育てる方法と、のり胞子が潜り込んだ牡蠣ガラを小型のビニール袋に1~2枚入れて、のり網に等間隔に吊り下げてそのまま海に張り込む方法です。吊り下げた牡蠣ガラからは、2~3日でのり種が海中に浮き出て、のり網に附着して育ちます。

のり網にのり種を付着させる作業風景
牡蠣ガラを敷き詰めた水槽の中でのり網を巻きつけた水車を回転させて、のり網にのり種を付着させる作業風景(兵庫県漁連のり研究所)。

この採苗が終わり、30日から40日経つとその年の一番摘みが始まります。柔らかくて、香りの良い一番摘みは、主に贈答品に向けられます。しかし、最近は、贈答品という言葉が少なくなり「ギフト商品」とカタカナで表現されるようになりましたが、それにつれて、「日本古来の自然食品です」といっても、のりのギフト商品は、洋風食卓向きの食品に追い越され、売れ行きは芳しくありません。今のり業界では、どのようにして「おいしい自然食品のり」を沢山食べてもらえるようにすれば良いのか、あれこれ思案しながら販売に努力しているところです。

九州有明海地区の支柱漁場で行われている採苗

上の写真は、九州有明海地区の支柱漁場で行われている採苗方法です。海苔網は30枚重ねてあります。その網に横幅180cmのプラスチックの横棒が19本から21本通してあります。その棒に吊るしてあるビニール袋に入ったのが、のり種入りの牡蠣ガラです。巾1m80cm、長さ18mの1枚ののり網に180~240個ののり種入りの牡蠣ガラが吊るされています。これをのり漁家の間では「落下傘」と呼んでいます。

3 のりの生産状態

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