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産地を追って no.1 のり産業界の現状

3 のりの生産状態

有明海ののり漁場
有明海ののり漁場。干満差6mという海域で、支柱にくくり付けたのり網は、干潮には空中にさらされます。この間に栄養分を十分蓄えます。

のりの生産は、毎年10月から4月まで行われます。寒い時期の海上作業になりますから、5月から9月までの間に、次の生産時期の準備をしながら休養を取らなければなりません。この期間に体力をつけておかなければ、生産期は、一般的にのり摘みは早朝に始まりますが、九州・有明海の一部では夜中の2時、3時にのり摘みを始め昼過ぎまでにのりを抄き上げなければなりませんので、体力が持ちません。

夏場にふっくらしていたのり漁家も生産最盛期の1月~3月頃に久し振りに出会うと、すっきりした体つきになっています。本当に「お疲れさん」です。そのような苦労の中で生産したのりが、消費者の方々に「美味しい」と言って頂けることが、唯一の「癒しの言葉」です。

有明海ののり摘み
有明海ののり摘み。有明海の一部では午前3時頃から漁場に出て、ライトを点けてのり摘みが始まります。

のり摘みは、明け方か夜中に始めますが、もちろん潮の干満のタイミングを狙って始めます。満潮から引き潮の時間帯に摘み揚げると、昼間の光の中で光合成を行い、生長しながらアミノ酸を十分蓄えて夜の眠りに入りますが、栄養分を貯めこんでゆっくりしているところを摘み揚げれるのですから、のりにとっては大変迷惑なことですが、人様に栄養分をたっぷり提供しょうという、献身的な海藻です。また、のりは、空気中や海中の二酸化炭素(CO2)を吸い込み、酸素を吐き出す環境に良い海藻です。「のりさん有難う」といいたくなる食品です。

太平洋側の多くの県でのり養殖が行われています。現在、のりは共同販売方式で、のり漁家が生産したのりは、すべてそれぞれの県の漁業協同組合連合会(漁連)が集荷して、漁連主催の入札会に入札会参加指定商社の入札によって落札、販売する仕組みになっています。その共同販売方式を採用している県単位の漁連、漁協が全国連絡組織を作っていますが、その組織でまとめた全国の漁連別生産統計があります。

4 過去3年間の全国のり共販実績順位

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