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産地を追って no.13 海苔産業低迷脱出へ再考の時

【平成26年4月8日執筆、平成26年4月14日掲載】

1 平成25年度漁期は70億枚程度で大減産か

平成25年度漁期(平成25年9月~26年8月)の全国共販は、4月一杯で終了します。3月31日現在の全国共販実績は約68億2千万枚です。昨年度(24年度)同期は約79億9千万枚でしたから、11億7千万枚の減です。

近年で最も少なかったのは平成23年度で、この漁期の最終共販実績は77億7,376万枚でした。この年度の3月31日現在の共販実績は約72億枚でした。今漁期より4億枚多く4月以降の共販は約5億7千万枚で、その結果77億枚という最終共販実績に達したのですが、今漁期は全国の産地の生産状況から推定した場合、栄養塩の低下、さらに東京湾口の船舶事故による油濁被害が千葉県の主力産地の漁場に大きな被害を与え、4月以降の生産が大幅に減少する見通しです。4月以降に約2億枚の生産があれば70億枚に達することになりますが、現在の全国生産状況からすると2億枚の生産は難しいのではないかと見られています。

一方、平均価格(産地価格)は表.1に見るように生産数量が減少したからといって大幅に上昇する事はありません。今漁期の3月末の全国平均価格は1枚当り9円27銭です。過去10年間で最も少ない共販枚数になりそうですが、平均価格は平成23年度の最終平均価格より安くなっています。

表1.経営体数・漁家数・共販枚数・平均価格の推移

今漁期は4月以降に平成23年度と同じ生産数量に達するのは無理な状態です。現在の海苔の消費動向から推測しても、海苔需要推進のため、海苔産業全体の体制見直しが必要です。現状のままでは昭和50年代初期の70億枚時代に逆戻りするような結果になりそうです。しかも、生産数量が減少しても価格が上昇する事はあまり期待出来ません。それを予想させるのが表.2です。世帯数が増えているにも関わらず、家計支出額は減少を続けています。

表2.海苔への家計支出と小売価格の推移

2 海苔流通の現状と問題点

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